2025年5月6日（6月10日公表）：報告書教育施設・宗教施設・文化施設への攻撃と破壊

🗞️Report of the Independent International Commission of Inquiry on the Occupied Palestinian Territory, including East Jerusalem, and Israel, A/HRC/59/26, 6 May 2025

教育施設への攻撃
- ガザ：564校のうち403校が被害（85校全壊、73校半壊以上）。推計43万人超の児童・生徒に影響。UNRWA施設も標的となり、避難民が多数犠牲に。大学も大規模に破壊（イスラ大学、アズハル大学など）。教員600人以上が死亡、大学教員も190人以上死亡。調査委員会は、軍事的必要性の欠如と教育インフラの意図的破壊を認定し、戦争犯罪（民間人攻撃、故意の殺害、比例原則違反）や人道に対する罪（絶滅行為）を指摘。
- ヨルダン川西岸（含む東エルサレム）：141校が攻撃・破壊、96人の生徒と教員が死亡。約59校が閉鎖・解体命令。UNRWA学校も閉鎖対象。入植者による学校破壊・襲撃（例：南ヘブロン丘陵の村スクール破壊）。
- イスラエル国内：2023年10月以降、教育関係者・学生が「ガザへの同情的発言」で停学・解雇・逮捕の対象に。特に女性学生・教育者が多い。報告は表現の自由と教育権侵害、ジェンダー差別を強調。
宗教・文化施設への攻撃
- ガザ：UNESCOは2023年10月以降、75件の文化財・宗教施設損壊を確認。聖ポルフィリウス教会、グレート・オマリ・モスク、サマリア浴場、パシャ宮殿博物館、シャワ文化センターなどが破壊。攻撃により200人以上が死亡（多くは女性・子ども）。調査委員会は戦争犯罪（宗教施設への攻撃、文化財の破壊、軍事的必要性の欠如による財産破壊）と結論。
- 西岸・東エルサレム：イスラエル当局と入植者が遺跡・文化財を接収、観光開発。例：シルワン地区「ダビデの町」、サバスティア遺跡、バティールの世界遺産テラス。考古学を利用した「ユダヤ的歴史の独占」ナラティブが強調され、違法併合の一形態と認定。ハラム・アル＝シャリーフ／神殿の丘での挑発的行為、キリスト教施設への攻撃も報告。
- イスラエル国内：パレスチナ武装集団による文化施設への攻撃は限定的（例：キブツの美術館やギャラリー）。
法的評価
- ガザの教育システムの破壊は**世代的影響（教育権の剥奪、自決権の侵害）**を及ぼし、民族的アイデンティティの消去を意図した可能性。
- 文化財・宗教施設の破壊は文化的記憶と集団的アイデンティティの破壊をもたらし、ジェノサイド意図を示唆する証拠となり得る。
- 調査委員会は、イスラエルの行為は戦争犯罪・人道に対する罪に該当するとし、パレスチナ人民の自決権侵害を明確に認定。
勧告
- イスラエル政府：占領の即時終了、新規入植停止、教育・文化施設攻撃の停止、UNESCO・国際法規範の順守、被害者への補償・説明責任。
- パレスチナ自治政府：非パレスチナ文化財も含めた保護強化、UNESCO支援要請。
- ガザの事実上当局（ハマス）：無差別ロケット攻撃の停止、民間施設の軍事利用禁止。
- 国際社会：ICJ勧告的意見（2024年7月）に沿った行動、占領状態の不承認、戦争犯罪責任の追及。

2025年9月16日：ガザにおけるイスラエルによるパレスチナ人のジェノサイド

ガザにおけるイスラエルによるパレスチナ人のジェノサイド（2025年9月16日）

2025年9月14日（9月23日公表）：ガザ恒久的支配・ジェノサイドおよびパレスチナ併合