フーシ派による船舶への攻撃
過去の事件
ギャラクシー・リーダー号の拿捕
2023年11月19日、イエメンの武装組織フーシ(ホーシー)派が、紅海で日本郵船が運航する自動車運搬船「ギャラクシー・リーダー(Galaxy Leader)」を拿捕したと発表した。
AP通信によれば、ギャラクシー・リーダー号はフーシ派が支配するホデイダ港の西約50マイル(約80km、43.2カイリ)の地点でハイジャックされた。反政府勢力は、ハイジャックはこの船がイスラエルと関係があることに反応したものだと主張し、ガザのハマス支配者に対するイスラエルの作戦が終了するまで、国際水域でイスラエルと関係がある、あるいはイスラエルが所有する船を標的にする意向を表明し、そのような船は「合法的な標的」とみなされると述べた。
国連事務総長、サウジ主導連合軍によるイエメン空爆を非難
アメリカ・イギリス船舶に対する攻撃
2024年1月9日、フーシ派はこれまでで最大の攻撃を開始し、米艦船を直接標的にした。
フーシ派は10日、「シオニスト政権(イスラエル)に支援を提供している米軍の艦船を攻撃した」と表明。
アメリカ・イギリスによるフーシ派拠点攻撃
国際社会の反応
- 2023年12月19日、9カ国(🇦🇺 オーストラリア、🇧🇸 バハマ、🇯🇵 日本、🇱🇷 リベリア、🇳🇿 ニュージーランド、🇰🇷 韓国、🇸🇬 シンガポール、🇺🇸 アメリカ、🇾🇪 イエメン)とNATO・EU代表(=計44カ国相当)が共同声明を発し、アラビア半島周辺海域におけるフーシ派による航行の権利と自由に対する干渉を非難した。
- 2024年1月3日、14カ国が共同声明を紅海で続いているフーシの攻撃が違法であり、容認できず、深刻な不安定化をもたらしていること、民間の船舶や艦艇を意図的に標的にすることに合法的な正当性はないこと、商業船舶を含む船舶への攻撃が世界で最も重要な水路のひとつにおいて世界貿易の基盤となっている航行の自由に対する直接的な脅威であることを表明した。
- 🗞️ A Joint Statement from the Governments of the United States, Australia, Bahrain, Belgium, Canada, Denmark, Germany, Italy, Japan, Netherlands, New Zealand, Republic of Korea, Singapore, and the United Kingdom, 3 January 2024
- 2024年1月11日、10カ国が共同声明を発し、米国と英国の軍隊が、オランダ、カナダ、バーレーン、オーストラリアの支援を得て、国連憲章に沿った個別的・集団的自衛権に基づき、イエメンのフーシ派支配地域の多数の標的に対して共同攻撃を実施したことを表明した。
- 🗞️ Joint Statement from the Governments of Australia, Bahrain, Canada, Denmark, Germany, Netherlands, New Zealand, Republic of Korea, United Kingdom, and the United States, 11 January 2024
🇺🇸 アメリカ
- フーシ派をめぐってはトランプ前政権が2021年の1月にテロ組織に指定したが、政権交代したバイデン政権は指定がイエメンの人道危機を深刻化させかねないとして翌月の2月に解除していた。
- アメリカはギャラクシー・リーダー号の拿捕を非難した上で、フーシ派をテロ組織に指定することについて検討を開始したと明らかにした。
- 2024年1月11日、バイデン大統領は、米軍が英国とともに、オーストラリア、バーレーン、カナダ、オランダの支援を受け、フーシ派反政府勢力が航行の自由を危険にさらすために使用している多数の標的に対する攻撃を成功裏に実施したことを表明した。
🇮🇱 イスラエル
アイザック・ヘルツォーク大統領「昨日、私たちは新たな記録を見た。公海上で海賊が船を占拠したという公式発表を(初めて)見たのだ。国際法と秩序に対する大きな脅威だと思う。」