手続状況|2026年10月24日時点
現段階:ドイツの先決的抗弁に関する判断待ち。本案手続は停止中。
- 2024年3月1日:ニカラグアがドイツを提訴。イスラエルへの武器移転やUNRWA資金援助停止に関連するジェノサイド条約・国際人道法等の義務違反を主張した。2024年4月30日、ICJは当時の事情では仮保全措置を指示する必要がないと判断した。これは請求全体の棄却や本案判断を意味しない。
- 2025年7月21日:ニカラグアが本案の申述書(Memorial)を提出。2025年10月21日、ドイツがICJの管轄権や請求の受理可能性について先決的抗弁を提起し、裁判所規則79bis条3項により本案手続が停止。ニカラグアは2026年2月23日までに抗弁への書面意見を提出した。
- 2026年9月7~10日:先決的抗弁の公開弁論が実施された。9月16日・22日には裁判官の質問への書面回答が提出された(ICJ公式・先決的抗弁手続/2026年公開弁論案内)。
- 残る争点:管轄権や受理可能性の先決的判断と、本案(ドイツに具体的な国際義務違反があったか)を分ける。先決的抗弁はドイツの主張であり、裁判所が認容したとの意味ではない。
2026年10月24日までに確認できた手続。従前の申立書・仮保全措置・学説の記録は保存。
2024年3月1日、ニカラグアがドイツに対して国際司法裁判所(ICJ)に事件を提起、仮保全措置命令も要請した。
パレスチナ被占領地(特にガザ地区)に関し、ジェノサイド条約・ジュネーブ諸条約と追加議定書、逸脱不可能な国際人道法諸原則、その他一般国際法の強行規範の違反との主張
🗞️ Proceedings instituted by the Republic of Nicaragua against the Federal Republic of Germany on 1 March 2024, Application instituting proceedings and request for the indication of provisional measures
- ニカラグアが主張する裁判所の管轄権
- ジェノサイド条約9条
- 裁判所規程36条2項に基づく強制管轄受諾宣言
- ニカラグアが裁判所に求める裁定
- ドイツは、状況を十分に認知しながら、パレスチナ人、特にガザの人々に対する現在進行中のジェノサイドを防止しなかったことにより、ジェノサイド条約、特に1条に規定された義務に違反し、違反し続けている;
- ドイツは、イスラエルによるジェノサイドの実行に使用される軍事装備を含む援助をイスラエルに提供し、UNRWAが提供する被害者への財政援助を撤回することによって、ジェノサイド条約、特に1条に規定された義務に違反し、違反し続けている;
- ドイツは、……ジュネーブ諸条約の重大な違反……の実行に使用される軍事装備を含む援助を提供すること、UNRWAへの財政援助を撤回することによって、ジュネーブ第4条約1条および人道法の不可侵原則に基づく義務に違反し、違反し続けている;
- ドイツは、イスラエルが人道の基本的考慮の諸規則を尊重することを確保しなかっただけでなく、イスラエルへの援助と支援を提供し、UNRWAへの財政援助を撤回することによって、国際人道法のもとでの義務に違反し、違反し続けている;
- ドイツは、パレスチナ人の自決権を否定し、さらにアパルトヘイト体制の維持と強要を助長するイスラエルへの援助、特に軍事装備の提供によって、自決権の実現のために促進・協力する義務を含む、条約および慣習法上の義務に違反し、違反し続けている;
- ドイツは、戦争犯罪やアパルトヘイトを含む国際法上の重大な犯罪に責任を負う者あるいは告発された者を、そのような者がドイツ国民であるか否かにかかわらず、訴追し、裁判にかけ、処罰することを拒否することによって、国際法に違反し、違反し続けている;
- ドイツは上記の国際義務違反を即時的に中止しなければならない;
- ドイツは、上記の義務違反の再発防止を保障しなければならない;
- ドイツは、その国際違法行為によって生じた被害に対して完全な賠償を行わなければならない。
- 2024年4月8日(🇳🇮ニカラグア)・9日(🇩🇪ドイツ)に仮保全措置に関する公開弁論が行われた。4月30日、ICJは当時の事情では仮保全措置を指示する必要がないと判断した(ICJ事件記録)。
手続
管轄権
紛争の存在