武力不行使原則
自衛権
- 慣習国際法としての性格
- 先例カロライン号事件(1837年):ウェブスター・フォーミュラ
- 固有の権利:自衛権が慣習国際法としての性質を保持することを示唆している。
- 国際司法裁判所
- 国連憲章上の要件
- 実体的要件:武力攻撃の存在+必要性・均衡性
- 手続的要件:安保理への報告、安保理措置までの期間
武力攻撃
武力行使の分類
- 最も重大な形態(the most grave forms)= 自衛権行使要件の武力攻撃
- その他のより重大でない形態(other less grave forms)
武装集団の行為の国家への帰属
武装集の行為への実質的関与
Israel – Hamas 2023 Symposium – Strategy and Self-Defence: Israel and its War with Iran - Lieber Institute West Point
Israel – Hamas 2023 Symposium – Iran’s Responsibility for the Attack on Israel - Lieber Institute West Point
非国家主体による武力攻撃
<aside>
💡 なぜ武力攻撃の主体が問題となるか?
国連憲章には「武力攻撃」との文言しかなく、国家による武力攻撃に対する自衛権のみが正当化されるかは明確ではない。テロ組織などの非国家主体からの武力攻撃に対しても自衛権の行使として正当化できるか?
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- 拡大説の問題点:武力行使を正当化するために自衛権にますます依存することで、戦争に対抗する規則を飲み込む例外として自衛権を作り替えてしまう恐れがある。
- 📖 Oona Hathaway and Scott Shapiro, The Internationalists: How a Radical Plan to Outlaw War Remade the World (Simon & Schuster 2017) 416
- 📖 参考文献
国際判例
非国家主体への自衛権に対して消極的
イスラム過激派組織アルカイダによる9/11同時多発テロに対する自衛権
- 不朽の自由作戦(Operation Enduring Freedom)
- 安保理決議による自衛権の承認
イスラム過激派組織イスラム国(ISIL)のテロ行為に対する自衛権
- イスラム国に対して展開された多数の国家による軍事作戦は、相当数の国家が非国家主体に対する作戦の文脈で第51条を発動する用意があることを示している
- 2015年11月にパリで発生したテロ行為への対応として、国連安全保障理事会は「あらゆる必要な措置を講じる」ことを加盟国に求める決議2249が採択された。
- 国連安保理決議2249号:イスラム国を「国際の平和と安全に対する国際的、かつ前例の無い脅威」とし、加盟国に対して、イラクとシリアのイスラム国によるテロ行為を防ぐために、「その支配領域」に対して必要なあらゆる措置をとり、安全な避難所を根絶することを要請
- 国連事務総長:シリアでの対イスラム国軍事行動が行われた地域は、シリア政府によ
る「実効的な支配がなされていない」
- 🗞️ Secretary-General Ban Ki-moon, Secretary-General of the U.N., Remarks at the Climate Summit Press Conference (Including Comments on Syria) (23 September 2014)
- 国連安保理決議2249号のもとでの各国の軍事行動も自衛権により正当化されている
シリアにおける親イラン武装集団に対するアメリカの自衛権
https://www.youtube.com/watch?v=zdsHKhzSVoM
ハマスの急襲に対するイスラエルの自衛権
📖 ****Marko Milanovic, ‘Does Israel Have the Right to Defend Itself?’, EJIL Talk!, 14 November 2023
必要性・均衡性
- 自衛権=戦争の開始に関する法(jus ad bellum)の正当化における国際人道法=戦争における法(jus in bello)の遵守
- 🇳🇴 ノルウェー首相ヨーナス=ガール・ストーレ(Jonas Gahr Støre)(euobserver)
Enough: Self-Defense and Proportionality in the Israel-Hamas Conflict