イスラエル・ハマス紛争に至る経緯

イスラエルによるガザ撤退（2005年）

イスラエルのアリエル・シャロン首相は2004年4月、ガザ地区とヨルダン川西岸の4つの入植地からのイスラエルの一方的な撤退を提案する離脱計画をイスラエル内閣に提出した。

イスラエルのクネセトで承認されたこの計画は、海辺や空域、エジプトとの国境を含むガザへのすべてのアクセスポイントにおいて、イスラエル軍の統制を維持するものであった。

この計画は2005年8月に実施され、イスラエルはガザにある17のユダヤ人入植地を解体し、8,000人の入植者全員をイスラエルとヨルダン川西岸に避難させた。

🗞️ Gaza Disengagement Plan: Cabinet Resolution Regarding the Disengagement Plan, 6 June 2004

<aside> 💡 天井のない監獄（Open-Air Prison）

元々はデーヴィッド・キャメロン元イギリス首相がBBCで語った言葉として、ノーマン・フィンケルシュタイン教授が引用。

Gaza, as former British prime minister David Cameron observed, is an “open-air prison.” The Israeli warden is in charge.

📖 Norman G Finkelstein, Gaza: An Inquest into Its Martyrdom (University of California Press 2018) xi.

</aside>

<aside> 💡 強制収容所（concentration camp）

ブレア元イギリス首相の義理の妹にあたるローレンス・ブース氏は、ガザを「監獄」と呼ぶのは誤りで、「強制収容所」が正しいと主張する。

監獄（prison）

①犯罪者が集められる場所

②食事・医療・清潔な水が提供される場所

③外部や家族の訪問（権）が認められる場所

④勾留期限がある場所
強制収容所（concentration camp）

政治的信条・宗教的信条・意見・民族性などを理由に、外部勢力によって、男性・女性・子どもが密集する抑圧的な状況に押し込められ、過酷な扱いを受ける空間

</aside>

https://www.youtube.com/watch?v=8zH7rnRxy8I

ハマスの武力によるガザ掌握（2007年）

2006年1月、パレスチナ立法評議会（PLC）選挙でイスラム原理主義組織であるハマスが過半数の議席を獲得。しかし、その後のパレスチナ内部の対立、ハマスの武力によるガザ掌握（2007年）等を受け、事実上、西岸とガザが分裂状態となり、PLCは現在に至るまで停止状態。2018年12月、憲法裁判所がPLCの解散及び6ヶ月以内のPLC選挙実施を呼びかける決定を下し、現在までPLC選挙は実施されていない。

過去のイスラエル・ハマス紛争

2008–2009年

イスラエル軍「鋳造鉛作戦（Operation Cast Lead）」

安保理決議：即時停戦とイスラエル軍のガザからの完全撤退、ガザの人道的・経済的状況を緩和するための国際的努力の要請、ガザへの武器不正取引の停止要求、パレスチナ内の和解促進
- 🗞️ 国連安保理決議1860号（2009年）（UNSC Resolution 1860 (2009)）
人権理事会：国連事実調査団の設置、イスラエルとハマスの双方が戦争犯罪を犯した可能性が高いとの報告
- 🗞️ 人権理事会決議S-9/1（2009年）（Human Rights Council: The grave violations of human rights in the Occupied Palestinian Territory, particularly due to the recent Israeli military attacks against the occupied Gaza Strip, A/HRC/S-9/L.1, 12 January 2009）
- 🗞️ ガザ紛争に関する国連事実調査団報告書（2009年）（Report of the United Nations Fact-Finding Mission on the Gaza Conflict, A/HRC/12/48, 25 September 2009）

2012年11月14〜21日

イスラエル軍「雲の柱作戦（Operation Pillar of Defense）」